パキシルは効果の高い抗うつ剤ですが、眠気を生じることがあります!その対処法も紹介しています。

抗うつ剤の副作用とレクサプロ

パキシル

パキシル 『うつはこころの風邪』という謳い文句とともに、2000年に発売が開始されました。切れ味が特徴になっている薬で、1日1回の服用で効果を十分得ることができます。気持ちの落ち込み、悲観的、意欲低下、集中困難、眠れないなどの症状の改善に適していて、気持ちを明るく前向きにしてくれる薬です。
初期症状として現れる強い不安感や緊張などもほぐすことができ、こころをスッと楽にしてくれます。また、うつ以外の病気では強迫性障害パニック障害PTSD(外傷後ストレス障害)社会不安障害など様々な精神疾患にも応用して使用されることもあります。

パキシルの作用

試験管 重要となるのがセロトニンです。この物質は、人のこころとからだの安定を調整してくれる神経物質の1つで、これが不足することで上に書いた様なこころの問題を起こしてしまいます。パキシルは、セロトニンが脳の中で再取り込みされてしまうことを阻害することができ、脳内で濃度を上昇させることが出来ます。その結果、神経の伝達を改善して気分を楽にしてくれると言われています。

セロトニンの増加はうつの症状改善に繋がりますが、増やすには2つの方法が主に挙げられます。
1つめがセロトニンの再取り込みの阻害で、2つめがセロトニンの分泌量の増加ですが、パキシルの場合この1つめの方法が取られています。
神経間隙という神経と神経の間のセロトニン濃度を再取り込み阻害によって高め効き目を発揮します。
放出されたセロトニンの吸収が邪魔されると、いつまで経っても吸収が行われず神経間隙に残るため、濃度が上がります。それにより、不安や落ち込みが改善せれます。

パキシルの効果

ガッツポーズする女性 効果を比較する臨床試験も実施されています。
パニック障害である患者168人を、パキシルを飲む人・偽薬を飲む人に分け2ヶ月後の状態の変化を比較する試験が行われています。結果、薬を飲んだ人の51.8%で改善がみられ、偽薬の人では32.5%でした。
さらに30mg/日まで増やし、尚且つ服用期間が28日以上の人に限定すると薬で82%、偽薬で43.5%の改善率となり、どちらの場合においてもパキシルの有効性が確認できた結果となっています。
他にも強迫性障害200人を対象とした試験では、薬を服用した人の改善率が50%に対し偽薬で23.7%と大きな優位性が確認されました。

また、この薬の系統であるSSRIはセロトニンのみに作用することから、「Selective」「Serotonin」「Reuptake」「Inhibitors」の頭文字をとったもので、日本語で選択的セロトニン再取込み阻害剤と呼ばれています。
パキシル以外のSSRIとして、ルボックス・デプロメールやジェイゾロフトも挙げられますが、どれもセロトニンの再取り込みを阻害することで濃度を高めます。そのため、違いはそこまでありませんが気分に影響を及ぼす物質を増加させる力などに違いがあります。

パキシルで起こる眠気への対処法

眠る女性 服用で眠気が生じる場合があります。就寝前の眠気は気になりませんが、日中の眠気は仕事や学校など日常生活に支障をきたしてしまいます。眠くても気合でなんとかなる!と思っている方も中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし、あるWeb調査では数ある副作用の中でも『眠気』が1番ツラい症状だったと報告されています。一般的には、コーヒーを飲む、目薬をさす、ガムを噛んでみるなど様々な対処法が挙げられますが、薬を飲んでいることを踏まえた対処法をご紹介したいと思います。服用後、眠気に悩まされた場合は以下の対処法を試してみてください。


●経過を観察する
服用し始めだけに、眠気が生じることも多いため暫く様子を見てみましょう。
身体が慣れてくると、1~2週間で症状が治まることがあります。
耐え切れない程の強い眠気でない限りは、我慢してみましょう。
●睡眠の見直し
薬の問題の可能性もありますが、そもそもの睡眠リズムに問題がないか見直すことも大事です。
夜中まで起きて夜更かししていないか、寝る時間がバラバラになっていないか、睡眠時間は適切かなど原因がないか探してみましょう。以前からあった問題が薬の服用で表面化しただけかもしれません。
●服用時間の変更
1日1回夕食後の服用と記載されていますが、毎日1回同じ時間のルールを守れば『寝る前』に服用しても問題ありません。
眠気に悩まされているのであれば、寝る前に変更するといいでしょう。これで改善したケースは少なくありません。それだけ?!と驚いた方も1度試してみてください。
●減薬
どの対処法を試しても改善がみられない場合は、減薬を行ってもいいでしょう。
効果が実感できているときは特に、薬の切り替えよりも減薬がオススメです!量を減らしても、うつの症状が悪化せず眠気が治まるのであればその量で続けていきましょう。

パキシルの副作用

お腹を抑える女性 前回も紹介した不快な症状を伴う「抗コリン作用」は少なくなっています。ですが、飲み始めには注意が必要で、胃腸に対して、吐き気、下痢、胃がムカムカする、などの胃腸症状が起こるとされていますが、こういった症状は胃薬を併用することで対処できるので一緒に処方されることがあります。

また、多い例ではないですが、この系統の薬が合わない場合にはかえって神経が過敏になってしまう事があり、イライラ、強い不安、気持ちが落ち着かない、などの気分になることがあるので、そういった場合には医師に相談して薬を変更してもらう必要もあります。副作用が少ないことから、うつ病の治療が終わっても再発を予防するための維持療法にも適している薬と言われています。

パキシルの注意点

ひとさし指とビックリマーク パキシルの服用には注意点もあります。持病やアレルギーをもっている人は、その人のもっている病気やアレルギーによっては症状を悪化させることがあるので、予め医師に報告しておく必要があります。また、服用している薬で飲み合わせが悪い薬もあるので、2週間以内で服用している薬あるいは常用しているものがあれば医師へ相談しましょう。
他に服用している薬があるにも関わらず、医師に告げず薬を併用することは非常に危険です。最悪の場合、取り返しがつかないこともあるでしょう。自分でも薬を飲む前に、大丈夫なのか確認する癖をつけておくといいでしょう。

・エフピー…パーキンソン病の薬
・オーラップ…統合失調症の薬
・一部の片頭痛の薬
・抗てんかん薬
・抗不整脈薬
・β遮断薬
・三環系の抗うつ剤

上記の薬は全て飲み合わせの悪い薬です。併用には気をつけるようにしましょう。

服用にあたって注意が必要な人

手をかざす人 こどもや若い人の場合、服用には注意が必要です。治療上では有益な効果をもたらしてくれますが、その反面で不利益になることがあります。「心理面においての社会支援」、「環境を整える」などが薬の服用よりも優先されることがあるからです。
また、臨床試験の結果によると重いうつ病をかかえる7~18歳には有効性の確認ができない事以外にも返って悪い結果がでることもあり、18~24歳までにもあまり良い効果を期待する事はできないと言われています。
他にも、病気の既往歴がある人(てんかん・躁うつ病・緑内障)などの既往歴をもっている人は、症状が悪化する恐れがあるので慎重な投与が必要となっています。
特に躁うつ病は薬の効果が逆効果になる事があるので、その見極めが大切になります。また、脳に障害がある、あるいは統合失調症の素因が確認される人も精神に大きな変調を起こすので服用には注意が必要となります。

高齢の方においては、めまい傾眠出血などの副作用を起こす可能性もあるので、少量の服用や増量する場合にも医師の判断が必要となります。また、うつ病の人には「自殺企図あるいは念慮」を起こす可能性もあるので、薬の影響でそういった衝動が強くなることもあるので慎重な服用が望まれています。
また、薬の代謝が遅れやすい傾向があるので、薬の濃度が上昇してしまう傾向にあります。

食生活で気をつけること

ワイン 薬に限らず、食べ物にも注意を払いましょう。
特にアルコールは、抗うつ剤の副作用が強くでる危険性があります。薬を用いて治療に組んでいる間は、できる限り飲まない方が得策です。少量であれば、さほど心配はありませんが、多量に飲むことでリスクが上がるため、仕事の付き合いなどどうしても飲まないといけない時は摂取量の調整を行うようにしましょう。
また、健康食品やハーブティーなどの服用も控えるべきでしょう。理由は、食品に含まれているセイヨウオトギリソウは副作用を増強させてしまうからです。その他にも注意点は複数あるので、医師の言うことを守るようにしましょう。